「ようやく一人前に育った社員が、もっと条件のいい会社へ行ってしまった…」
「求人を出しても、大企業の福利厚生と比べられてしまう…」

こうしたお悩みは、日々お会いする多くの中小企業経営者から聞こえてくる、切実な声です。給与を上げたくても原資には限りがある。そんな中で、どうすれば優秀な人材を惹きつけ、長く会社に貢献してもらえるのでしょうか。

その答えの一つが、実は「退職金制度」の見直しにあります。
特に、確定拠出年金(DC)の仕組みを使った「iDeCo+(イデコプラス)」と「企業型DC」は、ただの福利厚生ではありません。会社の採用力や社員の定着率を大きく左右する、いわば「攻めの武器」になり得るのです。

「退職金なんて、うちみたいな会社にはまだ早い」と思われたかもしれません。でも、少し待ってください。この記事を読み終える頃には、その考えが変わっているはずです。

そもそも、iDeCo+と企業型DCって何が違うの?

この2つの制度、どちらも「確定拠出年金」という仕組みを使いますが、会社にとっての位置づけや設計の自由度は全く異なります。どちらが自社に合っているのか、判断に迷われるのも無理はありません。まずは、それぞれの特徴を簡単にご説明します。

  • iDeCo+(イデコプラス)
    これは、社員が個人でやっているiDeCoに、会社が「応援金」を上乗せしてあげるイメージです。手軽に始められるのが魅力ですが、あくまで主役は社員個人。従業員300人以下の会社が対象です。
  • 企業型DC
    こちらは、会社が「うちの会社専用の退職金制度」をオーダーメイドで作るイメージ。会社が主役となって制度を設計し、社員のために掛金を積み立てます。会社の規模に関わらず導入できます。

平たく言えば、iDeCo+は「既製品へのちょい足し」、企業型DCは「自社専用のあつらえ品」といったところでしょうか。

【経営者ならここを見る!】6つの視点で本音の比較

理屈は分かっても、知りたいのは「で、結局うちはどっちがいいの?」ということですよね。経営者の方が気になるであろう6つのポイントで、両者を比べてみましょう。

比較項目 iDeCo+(イデコプラス) 企業型DC
1. コスト 初期費用はほぼゼロ。手軽に始められる。 制度設計や運営に費用がかかる。でも、会社の追加負担ゼロで導入できる「選択制」という裏技も。
2. 節税・社会保険料 会社の掛金は全額損金に。社会保険料の計算からも対象外 会社の掛金は全額損金に。社会保険料の計算からも対象外。会社・社員双方にメリット大。
3. 積立額の上限 月額最大2.3万円(会社と社員の合計)。 月額最大5.5万円(会社拠出分のみ)。社員への手厚い還元が可能。
4. 会社の”色”が出せるか 国のルールなので、独自のアレンジは難しい。 掛金額や加入対象など、会社の想いを込めた制度を自由に作れる。
5. 求人でのアピール力 「個人の資産形成をサポート」というメッセージ。 「退職金制度あり」と堂々と書ける。福利厚生の手厚さが一目瞭然。
6. 会社の成長への対応 社員が300人を超えると、制度を見直す必要が出てくる。 会社の成長に合わせてずっと使える。10年後、20年後も安心。

正直、ここが見逃せないポイントです

表の中でも特に注目していただきたいのが、2番の「社会保険料」です。
会社が負担する掛金は、給与とは見なされません。つまり、会社と社員、双方の社会保険料の負担が増えないのです。これは、会社のキャッシュフローにとっても、社員の手取り額にとっても、非常に大きなメリットだと言えます。

「うちの場合、具体的にどうなるんだろう?」
そう思われたら、ぜひ一度お気軽にお声がけください。貴社の状況に合わせたコスト削減効果などを、無料でシミュレーションいたします。無理な営業はいたしませんので、ご安心ください。
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会社の「今」と「未来」で考える、ベストな選択

では、これらの比較を踏まえて、どんな会社にどちらが向いているのでしょうか。

創業期・社員10人以下の会社なら

「まずは何か始めたい」「できるだけお金はかけたくない」。そんな場合は、iDeCo+が現実的な第一歩になります。小さな一歩でも、「社員の将来をちゃんと考えている」というメッセージは、必ず伝わります。

成長期・社員10~300人の会社なら

このフェーズになると、人材の獲得や定着が経営の重要課題になってきます。
もちろんiDeCo+も選択肢ですが、「採用で他社に差をつけたい」「社員にもっと報いたい」という想いが強いなら、企業型DCの導入が俄然、現実味を帯びてきます。自由度の高い制度設計は、「社員を大切にする会社」という何よりの証明になります。

これから拡大を目指す、すべての会社へ

もし、会社の未来に成長を描いているのであれば、初めから企業型DCを選ぶのが賢明です。途中で制度を乗り換えるのは、思った以上に手間もコストもかかります。5年後、10年後の会社の姿を想像したとき、どちらが頼もしいパートナーでいてくれるか。そんな長期的な視点が大切です。

いざ導入!でも、何から始めればいい?

「よし、やってみよう!」と思っても、何から手をつけていいか分かりませんよね。大丈夫です。ポイントは3つだけです。

  1. まずは、専門家に話を聞いてみる
    特に企業型DCは奥が深いので、プロに相談するのが一番の近道です。私たちのような専門家は、制度のメリット・デメリットはもちろん、「他社さんはどうしてる?」といったリアルな情報も持っています。壁打ち相手として、気軽に使ってください。
  2. スケジュールは余裕をもって
    規程を作ったり、運営会社を選んだり、社員に説明したり…。意外とやることは多いものです。導入したい時期から逆算して、数ヶ月の余裕を見ておくと安心です。
  3. 社員への説明は、丁寧に、何度でも
    一番もったいないのは、せっかく良い制度を作ったのに、社員にその価値が伝わらないこと。「なんでこれやるの?」「私に何の得があるの?」そんな素朴な疑問に、社長自身の言葉でしっかりと答える場を設けましょう。そのひと手間が、会社への信頼につながります。

おわりに:社員の未来への投資が、会社の未来をつくる

iDeCo+も企業型DCも、単なるコストではありません。社員の将来への安心感を育み、会社への愛着を深めるための、極めて費用対効果の高い「未来への投資」です。

  • iDeCo+ は、その投資の「はじめの一歩」。
  • 企業型DC は、会社の成長を加速させる「本格的な一手」。

結局どちらがいいのかは、会社の数だけ答えがあります。
もし、この記事を読んで「うちの会社の場合はどうだろう」と少しでも思われたなら、それが検討の始めどきです。

社員が「この会社でずっと働きたい」と思える。そんな強い組織を、一緒に作っていきませんか。

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