「物価高で生活が苦しい。給料を上げてほしい」 昨今の急激なインフレを受け、社員様からこのような声が上がることも珍しくなくなりました。
ニュースを見れば、大企業を中心に「5%の賃上げ」「初任給の大幅アップ」といった景気の良い話題が飛び交っています。しかし、多くの中小企業経営者様の本音はこうではないでしょうか。
「社員の生活を守ってやりたい気持ちはある。でも、原材料費も上がっている中で、一度上げたら下げられない『基本給』を安易に上げるのはリスクが高すぎる…」
経営者として非常に真っ当な悩みです。無理なベースアップで会社の経営が傾いては元も子もありません。 そこで今、賢い経営者たちが注目しているのが、企業型確定拠出年金(企業型DC)を活用した「実質的な賃上げ」です。
今回は、会社の負担を最小限に抑えつつ、社員の手元に残る資産を最大化する、魔法のようなカラクリについて解説します。
「1万円昇給」の残酷な真実
例えば、社員の生活を支援するために、月額1万円のベースアップ(昇給)を決断したとしましょう。 社員は「やった!1万円増えた!」と喜びますが、給与明細を見たときに少しガッカリすることになります。
なぜなら、日本の税・社会保険制度には、「給与が増えれば、天引きされるお金も増える」という鉄則があるからです。
① 社員の手取りは「1万円」増えない
給与が1万円増えると、それに連動して所得税・住民税、そして社会保険料(厚生年金・健康保険・雇用保険)もアップします。 年収や扶養状況にもよりますが、一般的に増えた額の約20%〜30%が徴収されます。 つまり、会社が頑張って「1万円」払っても、社員の銀行口座に振り込まれるのは「7,000円〜8,000円」程度なのです。
② 会社の負担は「1万円」で済まない
さらに深刻なのが会社側の負担です。 給与を1万円上げると、会社が負担する「法定福利費(社会保険料の会社負担分)」も約15%ほど増加します。 つまり、社員に1万円渡すために、会社は約11,500円のコストを負担しなければならないのです。
- 会社が払うお金: 11,500円
- 社員に届くお金: 7,500円(仮)
- 消えたお金: 4,000円(税金・社保)
労使双方が痛みを伴うこの構造は、資金力の限られた中小企業にとって非常に効率が悪いと言わざるを得ません。
企業型DCなら「1万円」がまるごと届く
この「見えないコスト」を回避し、資金移動の効率を100%にする方法。それが、昇給分を「給与」ではなく「DC掛金」として渡す方法です。
もし、1万円の昇給の代わりに、会社が毎月1万円を社員の企業型DC口座に積み立てる(事業主掛金)としたら、どうなるでしょうか。
驚きのコストパフォーマンス
- 社会保険料がかからない DCの掛金は「給与」ではないため、社会保険料の算定基礎に含まれません。会社は法定福利費(約1,500円分)を支払う必要がなく、コストは「掛金1万円」のみで済みます。
- 税金がかからない 社員側も、掛金には所得税・住民税がかかりません。「1万円」が、1円も目減りすることなく「1万円」として自分の年金口座に入ります。
結果として、同じ「1万円」という原資でも、給与で渡すよりDCで渡した方が、社員の資産形成スピードは圧倒的に速くなります。
「今は使えないお金(60歳までロック)」ではありますが、将来必ず必要になる老後資金を、「税金・社保ゼロ」という最強の利回りでプレゼントしてあげる。これこそが、インフレ時代に会社ができる最も誠実な支援ではないでしょうか。
「見えない給与」が採用を変える
この仕組みを導入することは、今いる社員様への還元だけでなく、未来の採用活動にも絶大な効果を発揮します。
求人票の「給与欄」で、大手企業やライバル他社と数字の殴り合いをするのは大変です。しかし、「福利厚生欄」はどうでしょうか。
昨今の若手人材は、iDeCoやNISAの普及により、マネーリテラシーが非常に高まっています。彼らは基本給だけでなく、「退職金はあるか?」「資産形成の支援はあるか?」をシビアに見ています。
求人票に堂々とこう書いてください。
「退職金制度あり(確定拠出年金制度)」 「資産形成支援あり(会社が掛金を拠出)」
これだけで、会社の信頼度(ちゃんとしている感)は格段に上がります。「目先の1万円」より「将来の安心」を提供できる企業が、これからの採用市場で選ばれるのです。
「賃上げ原資が足りない」と諦める前に、今の予算の中で最大限の効果を生む「お金の渡し方」を、一度シミュレーションしてみませんか?
【無料セミナー】採用に活かす“新しい退職金”とは?
今回の記事でご紹介したように、企業型DCは採用や定着における強力な武器になります。 しかし、福利厚生は「内容」そのものよりも「伝え方」を少し整えるだけで、求職者や社員への響き方が大きく変わることをご存知でしょうか。
特に企業型DCは「将来が具体的にイメージしやすい制度」であり、適切なメッセージ発信を行うことで、採用成果を上げている企業様が増えています。
そこで、企業型DCを単なる節税対策ではなく、「人材戦略」として活用したい方向けの無料セミナーをご用意しました。
▼主な解説内容
- 中小企業の退職金事情について
- 企業型DCの全体像と仕組み
- 他制度との違い
- 企業型DC導入のメリットと効果
- 現在の採用状況について
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「どのような表現が自社の社員や求職者に伝わるのか」「既存の退職金制度との相性をどう見るか」。 こうした判断に迷われている経営者様にとって、短時間で効率よく導入の方向性をつかめる構成となっています。ぜひご参加ください。
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2026/01/19(月)11:00〜12:00
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